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技術の進歩2006

 あるコンピュータ関係の企業の方とお話する。  この5年間の変化は、相当のものがあるという点で意見が一致する。

 文系であるうちの研究室にも、気が付くと4台のPCが稼動していて、私を含めて4人が黙々と作業をしている風景に、自分たちで吹き出して、「珈琲もいれましょうか」と誰かが言い出す。

 先週は、ついにカメラとヘッドセットが導入されたが、2年生のSが量販店で売り出されていたと3千円で手に入れてきたものだ。(なぜか、しっかりSは私名義の領収書も持っていたが・・・)

 5年前に、知多半島の先端の大学に赴任した時、最大の不満は、FMラジオが満足に入らないことと、研究室にテレビの端子がないことだった。特にラジオ大好き人間にとって、電波状態が悪いのは苦痛だった。

 しかし、今やそれらは大きな問題ではなくなった。WEB経由で、多少の不便はあるものの音楽もニュースも聞いたり見たりできるようになったからだ。

 中小企業の経営者に進められてSKYPEも挑戦してみた。まだ、慣れていないので使い勝手は未知数だけど。

 自分の大学時代の恩師が、文学部だったが、大正生まれで新しいもの好きだった。そういう人の影響かも知れないが、うちの研究室では、とにかくネット関係で、金がかからないないなら、なんでもやってみようと言っている。齧ってみて、まずければ食わなければ良いのだ。

 ただ、最近、気になっているのは、格差の拡大だ。学生諸君でも、なんど言っても、メールは携帯電話だけ、PCになかなか触れようとしない層が増えているような気がする。

 企業の方も同じような意見を持っていたが、もっとシビアだ。CADCAMを使った職場は、以前は工業高校や高専、あるいは理工系の大学を出た人間の働く場だった。今では、パートのおばちゃんが、生き生きと働いている。

 それだけ専門知識がなくとも、簡単に操作できるようにソフトが改善されたのだ。一方で、それらソフトを開発する理工系のレベルは高いものが、要求される。  携帯を使っていれば良い層と、もっと高いレベルを要求される層の二手に分かれていると言える。  そんな中で、文系人間の生き残る道は、なにか。IT技術は、難しいものという先入観を捨てて、とにかく使ってみる。そして、そうしたものを活用して創造的な活動をしていくか、それができるかが生き残る道だろう。

 とはいうものの、次々と新しいものが開発され、そしてあっという間に陳腐化してしまう時代の中で、生き残るは至難の業だ。

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